彼について

結婚してから、男の人と飲みに行ったことがないわけでもありません。

どちらかといえば、男友達が多いぐらいの人ですが、二人で会っても、そんなカンケイにならないタイプの私でした。

だからネットの上とはいえ、なぜその人の危険な香りに、そこまで酔ってしまったのか、自分でもわかりません。
初めはチャットだけでした。同じような時間にインすることが多かったので、見つければ声をかけるようになっていました。
ほとんど毎日、話をしているうちに、私は・・・もう一人の私が、そこにいることを知りました。
そして彼は、もっと早くからそのことを知っていたのです。

いつのまにか私には、もう一人のほうが大きな存在となり、彼女は彼を必要としていました。
もちろん彼にも私にも、家族があります。
それを壊す気持ちはありません。そこまでの勇気はないのです。
彼も初めから、そうする気持ちはないこと、それ以上のことを求めるなら離れていく、ということを明言しています。

それでも・・・いえ、それだからこそ安心して身を委ねられたのかもしれません。
普段の私とは別の、本能のままの私を受け止めてくれる人。
ようやく最近、それに気がついたのです。